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変化する日常
環が、親子のそれぞれ違う反応に少し笑った。由香里は鳩舎よりも、屋上から周囲を見渡している、洋司は鳩舎を見入ったままだ。沢木が笑いながら、
「はは、ここはのう由香里ちゃん。鳩翔やる者にとったら、最高の条件を備えとる。周囲には、こなん町の中じゃ言うのに、電線が殆ど無い。視界には海が広がり、最高のパノラマじゃあ」
「うん、ここええね、じゅんおっちゃん」
ははは・・環と、由香里は沢木と周囲を見回している。しかし、洋司はピラミッド型鳩舎に集中したままだった。由香里達が振り返る。途端に感嘆の声。
「わあ!じゅんおっちゃん、何あれ。ピラミッド型鳩舎?わあ、凄いね」
環が笑っている。沢木が熱心に観察している洋司に近づいた。
「はは・・興味ある見たいじゃの、よおちゃん」
洋司が振り向くと、
「じゅんさん・・わし、いっつも驚かされよるきんど、このピラミッド型鳩舎はたまげたで」




