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変化する日常
「ほうか、分かった・・お前達の気持ち。一つだけ言うとくわ。じゅんさんはの、皆に楽しい釣りをやって欲しかったんじゃ。趣味言う世界は、のめり込むもんじゃ。ほんじゃきんど、ちゃんとした眼持って、自分の分を弁えてやんじょりゃええ、そう言う考えやった。岩、山・・お前達が、ほう言う考え持ってやんじょりゃ、又仲間が自然に集まらいや。今はとにかくじゃ・・じゅんさん言う人は立ち止まる人と違う。もっともっと進んで行く人じゃ。呼び戻そ思うなや。待っとってくれや、又わし等もそっちに戻るきんの、の?分かったの?」
「はい・・」
洋司が二人を送り出すと、八重子がこう言った。
「じゅんさんっちゃ・・ほんまに幸せな人じゃね。あなん慕ってくれる若い人が居る。うちは、一番弟子じゃ言われよった、よおちゃんを誇りに思うで」
「あ・・アホ、照れる事言うなや、八重子」
その様子を、テーブルに手をつきながら、由香里がにこにこして眺めている。
そんな話題になっているとも知らぬ沢木が、突然顔を出したのが、水曜日であった。




