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変化する日常
「は・・はい、勿論ですわ!」
おぼろげながら、沢木の考えが分かりかけた洋司であった。
が・・本当にそうなのか?それは、沢木自身にしか分からぬ事である・・
この夜、時計を松本に預けたままで、洋司は集計所に行かなかった。
どう客観的に見ても、閃竜号が優勝をしているのは紛れも無い事実。それに、松本が預かっとくわと鳩時計を受け取ったからだ。
洋司にはこの夜少し事情があった。
その用事とは、沢木が主催していた頃の釣り仲間である、岩井、山口と言う青年達の訪問であった。
「はは・・久しぶりじゃのう、岩井。お前又肥えたんちゃうか?山口、どなんした?口髭なんぞ生やしてからに・・」
楽しそうに洋司が笑っている。特に洋司を慕っていた若手の2人であった。
「最近、ちょっと小耳に挟んだんじゃきんど、じゅんさん、東予市駅前に事務所構えよる言よったなあ」




