変化する日常
「あの・・なんで西から戻るちゅう事を?ほんで、閃竜号が優勝するっちゅう事を?」
「おう、その前にの。じゅんは、天才じゃと皆からも思われとるし、自分も普通の競翔は出来んと思うとる。それは、人間さっきも言いかけたきんど、持って生まれた宿命よ。逃れようともがいても、その人間の器の中には、入るもんを入れ、背負うもんを詰めにゃならん。じゅんは、優しい男じゃ、そやきん、あれ程打ち込んだ競翔も止めて、他のもんに打ち込んだ。そやきんど、自分がいずれ決着をつけにゃならん道が残っとったんは、感じとったんじゃろ。わしはな、川滝さんにの、口止めされとったんじゃきんど。あいつは自分の胸の内を川滝さんに打ち明けとった」
「え・・ほうですか・・何かはあるとは思いよったんですわ。突然閃竜号を使翔する言うきん。ほんでも、わし等はじゅんさんが、望むんなら、片腕、片足でも喜んで差し出しますわ。それだけの世話にもなっとるし、わしゃあ、心から尊敬しとるんですきんな」
「分かっとる。そやきん、洋司君には何も言わなんだんじゃろ。ほれにな、わしゃあ、今回の件は、香月博士にも関わる事やないかと感じとる。憶測かも知れんけど・・ほやきん、ここだけの話じゃ、ええか?」
「はい・・」




