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変化する日常

「用件だけ言う。じゅんが、何か言って来たか?今日のレースの事で」

「今日は分速が出ると思うきん、早めに鳩舎で待っとれ。ほんで・・鳩が帰って来る方向見とってくれ言よったです」


 松本の顔が曇った。


「あの・・どなんしたん・・かいね?おいさん」


 洋司が尋ねる。


「洋司君、今日みたいな日、過去に何回かあったんじゃ。四国で郵政大臣杯、その前の宮杯で全国優勝したんが2回ある。条件は同じじゃ。鳩の戻んて来る方向が、西なら、わしは優勝出きん、東からなら、洋司君は優勝出来んわ」

「えっ!・・おいさん・・。おいさんも、じゅんさん見たいな予測するんかいね、何でな?・・それ」

「又その事については、又話するわ。洋司君、それだけ聞きたかったんじゃ。呼びつけて済まなんだ」


 洋司は、実はもっと深い内容が松本にはあると感じたが、高分速を予想するレースなら、AM6時に放鳩されているこの時、既に9時半を回っている。一礼をすると彼は自宅に戻って行く。

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