変化する日常
「洋司さん、いよいよ、時代はスピード系じゃなあ。つくづくそなん思うようになったわい」
「旭君とこは強豪じゃきん、充分じゃろ、今のままでも」
「いやあ、昨秋から見ても、この結果見たらよう分からいね。速さだけと違う言うきんど、やっぱり競翔ちゅうて名がつく以上、そっちの方向に行くん違うね?かなり連合会も皆新導入しとるよ。ほれに、沢木さんが戻んて来る言うて聞いた途端、皆の眼の色が違うきんな。色々電話掛けてアドバイス貰うたり、沢木さん自身が何人か若手にアドバイスしとる言う話も聞いとるで。一番皆に気合入っとんのは、超スピード系じゃ言う香月初霜号系が四国で使翔される言う事やきん、こりゃあ、由香里ちゃんの2羽も凄いきんど、秋に間に合うかちゅうて、慌てて入れたり、仔鳩をようけ作出したりしよらい。更に言うたら、新加入のメンバーも、本格的に同じ土俵で競えるんは、秋からやきんな」
「ははあ・・なる程なあ。今日は何かな、旭君。若手の顔色違うんじゃ、そなん感じた」
力のある若手は伸びよ、微温湯の中で競翔をやって来たベテラン連中もそれに刺激されて、もっと高いレベルで競翔をやろうや・・沢木はもう東予連合会を動かし始めていたのであった。
洋司も何となくその熱気を感じていた。勿論、互いに切磋琢磨してやる事は、自分も歓迎する。
秋山競翔研究会グループも、相当に研究を怠らず、彼らは彼らで秘策を練っているようだ。
少しヒデ君は、自分でやれる事を考え始めたようだ。
そして・・500キロレースは・・




