変化する日常
沢木は川上氏に深々と頭を下げた。氏から伝わる大きくて、温かくて、広い心。沢木は自分の気持ちを正直に打ち明け、そして川上氏もこの非凡の男の何かを感じた。羽崎・新川が到着するまでの間は、白川系の話題で盛り上がっていた。
「遅うなってすんまへん・・わは、もう沢木と盛り上がっとられたんやね、川上さん、お久しぶりです」
羽崎、新川が慇懃に頭を下げると、沢木はさっと二人が座るまで正座をして、席を空けた。その姿に川上氏もにこっとする。沢木から終始伝わる爽やかな気持ち。それは香月と全く同じだった。
この男は信用出来る・・出来るから白虎号を託したのだから・・川上氏はそう思った。
羽崎、新川が、料理が運ばれ会食となる前に、こう言った。
「すんまへん、お待たせついでに言うたらなんですけど、川上さん、ちょびっと時間貰えまっか、わし等、ちょっとこの沢木に伝えなならん事ありまして」
「はい、どうぞ結構ですよ。はは・・沢木君は、私より白川系を知っているねって話していた所です」
新川が、
「そうでっしゃろ?うちとこの鳩舎の種鳩、選手鳩の足輪番号から生年月日全部覚えてるような奴でんねん。こなな男が又競翔する言うとんでっさかいな、ははは。すんまへん、先に沢木に話させて貰いま」
川上氏がにこっと頭を下げると、今度は羽崎が、




