変化する日常
HZK九州支社完工式が始まった。ここは、HZKが関西以西に展開する最大拠点となる大きなものだ。それだけに、木村部長と共に、沢木のインテリアデザイナーとしての手腕が要求されたのだ。殆どこの6ヶ月間睡眠時間もそこそこに、休日も無く、沢木達は全身全霊で取り組んで来たのだった。新川相談役が沢木、木村の肩を叩いた。
「ごくろうさん、よおやった。よおやってくれた。斬新なデザイン・ほんで、奇を衒う事無く春夏秋冬の装いまで考えて、来客をいかに飽きさせずに楽しませようかっちゅうコンセプトが、はっきり伝わって来る。共にHZKのエースと呼ばれた二人や。わしは、二人に心から礼を言うで。羽崎会長もあっちで来客と話しとるし、この工事を請け負ってくれた山田建設さんにも礼を言われとるわ」
二人は、大きな仕事をやり終えた満足感で、肩の荷をやっと降ろしていた。
羽崎会長、佐久間社長、新川専務も同様に二人をねぎらい、祝典が始まった。
「木村部長・・お互い、一歩も譲らず激論を交わしもって、ほんでもよう現場監督始め、皆さんがやってくれたですな、ここまで、ほんま正直言うてしんどかったきんど、今はやり終えた充実感がありますわ」




