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再会
「いや・・わしも、もう7、8年も釣りして無いきんの、色んないきさつは知らん。そやきんど、何か色々聞こえて来るんじゃ。丸、お前、あのじゅんさんが大事にしよった釣り場情報、岡山やら、広島やらの連中に流したん言うのほんまか?」
「な・・何言うとんな、洋司さん。そななん知らんわな。あの連中が、自分達で見つけたん違うんな、何じゃ・・それ疑うとんな、わしを」
丸岡も厳しい顔になる。
「いや、そうで無い。そなな事言う奴が居るきん、聞いて見ただけじゃ。違うなら、違うでええで無いかい。わしには、関係無いこっちゃ。釣り場は個人のもんでは無いきんの」
「そうな・・ほな、ええきんど」
丸岡の顔が曇っている。洋司は続けて言う。
「ほんでの、もう一つ聞きたいんじゃ。じゅんさんの65、何や、どっかの漁港で水揚げしたの買うて、それで魚拓にしたんと違うか言う噂があるん、お前知らんか?」
その言葉には即丸岡が反応した。




