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再会
「まあ、数揃うて行きゃあ、渡船も悪い顔はせんきんね、大会も別の所で今までやりよったん、そっちに引っ張って来たんもある」
「まあ・・わしには関係無いこっちゃ」
洋司は、話を切ろうとした。元々釣り大会のトーナメンターを志向する丸岡と、沢木が組織した、チヌ釣り倶楽部の趣旨が違う事は知っていた。
「洋司さん・・又一緒にやらんですか?洋司さんの腕やったら、すぐ四国№1になれますわ」
洋司の顔が少し厳しくなった。
「・・その前には、丸。ちょびっと聞きたい事あるんじゃ、ええか?」
「ええ、何ですかいね・・」
洋司が丸岡の顔を見つめるが、その厳しい視線に丸岡が少し慌てた。
「どしたんですか・・ちょっと怖いんやきんど・・顔。洋司さん、何かあるんかいね?」




