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再会
運動神経抜群の洋司は、旧チヌ釣り倶楽部でも沢木の一番弟子として、羨望の眼で見られていた一人だった。
「ちょっと・・話出来んですか?」
丸岡が言うと、洋司も
「おう、わしもちょっと丸に聞きたい事あったんじゃ。あっちの波止のとこで話しよか?」
2台の車はレジを済ませると、近くの波止に向かう。目と鼻の先にある場所であった。
煙草に洋司が火を点けた所で、丸岡が話を切り出した。
「あんな、洋司さん。今は、新しい釣り倶楽部が出来とんですわ」
「ああ・・2,3日前にわしの会社に来よる前田ちゅうんが、お前が会長やっとる釣り倶楽部の話しよったわ。えらい、お前、どっかの渡船では、幅利かせとるらしいのう」




