再会
「何・・驚いた顔しよんな、わしが、勢山系のすずらん号を飼うとったん知っとろうがね、おいやん。この眼はなあ、どなな系統にも無いんよ」
「そうじゃったのう・・思い出したわ・・。鎌足さんに、この血統に足らんもんがある、勢山系の血を交配させたらどうかね?身の程知らずと言うか、大胆な事言うたんは、沢木・・お前じゃったのう」
「ふ・・鎌じいに真っ赤の顔して怒られたん思い出した。ほんじゃきんど、わしは、ほんまにあの時そう思うたんよなあ・・」
松本が、
「お前の言うた通り、その天才学者の香月博士は、即座に言うた。この血統は練り上げて来た古武士のような血統じゃきんど、足らんもんがある。ほんで異血として、勢山系を勧めたんじゃ。その時、鎌足さんは、お前の言葉を思い出したそうじゃ。あの時、自分は血相を変えて沢木を追い帰したきんど、あの言葉をその時飲み込んどったら、わしは、もっと違う競翔が出来取ったちゅうての・・」
「もう・・過去の話じゃ・・おいやん。ほやきんど、安心したわ。おいちゃんちゅう人が、東予連合会の会長になっとってくれて・・わしからお願いするわ、由香里ちゃんをよろしゅう頼みます」
松本が、大きく頷いた。




