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再会
「ご無沙汰しとります。そやけど、おいやん。わしも、もう53やきん、じゅんたろべえは無いじゃろ?おいやんは、もうおいやんの年じゃがね、ははは。そやきんど、変わっとらんねえ、白髪が増えただけで、そのまんまじゃあ」
松本も笑う。20数年振りの再会が一瞬でその隙間を埋めた。沢木とはそう言う人物でもあった。
「そう言うお前やってなあ、若いわしをつかまえて、おいやん、おいやん呼ぶきん、今は、皆から松本のおいちゃんちゅうて呼ばれよる。お前のせいじゃ、ははは」
松本は、縁側に沢木を招くと茶を出した。
沢木は、自分がチヌ釣りに夢中になって居た頃、特に親しかった、由香里の父との関係、そして事故の事、こうして、由香里が競翔鳩を飼うにあたって、松本と縁が出来た事の話を少し早口で喋った。沢木が、営業に向かう勤務時間中でもあるが、まずは、その説明で彼の訪問を松本も納得したのであった。




