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再会
三島が少し眼を丸くしている。
「今度はね、ワサビマヨネーズ&ピリ辛じゅんさん風・・ふふふ」
八重子が笑う。勇次に、少しワサビを加減して再び、あーんと言いながら、由香里に食べさした。
「うわ!美味しい!これも美味しい!」
健治も、少しためらいがちに箸をつけるが・・
「おう!何かちょっとためらったんやけど、いけますねえ!これも美味い」
にぎやかな食卓となった。煮付けも最高で、釣って来たカレイ、アイナメの刺身にも舌鼓を打った三島親子だった。
「わはは・・このじゅんさん風調理法の影には、涙ぐましい数々の失敗談がありますわ。何しろあの人は、思った事とする事が同時やきんな、あはは」
最高潮に達したこの晩餐をきっかけにして、再び洋司と家族。そして、三島親子との付き合い。又人生の師と洋司が仰ぐ沢木との関係が動き始める。




