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車椅子の少女
「よう分かっとります。わしは、そんな気持ちは全く無いぞな・・そやきんどわしの話も、もうちょっとだけ聞いて欲しいんやけど、ええかいな?」
「はい・・」
「わしのとこの子供は、東京、大阪に出て行ってしもうて、もうこっちへは戻って来んと思う。孫も今8人居って、一番上の孫も由香里ちゃんと大して変らん年じゃ・高校2年生になるんかのう・・今。そやから、孫の年の由香里ちゃんが鳩競翔をやりたいゆうんは、正直ゆうてわしも嬉しいんじゃ。応援もしてやりたい。その前にな、わしの事情も話さないかん。」
松本は一口茶を飲み、そして続けた。