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再会
由香里のこの夜の底抜けに明るい笑顔・・それは、三島勇次と言う少年の影響もあるのでは・・
「わはは、三島さん、酒は飲めんのですかあ?」
勧めるビールに、手を振る健治だった。
「そうなんですわ。会社でもよう言われます。付き合いも出来んような奴は上には上がれんぞおって・・」
「なあに、酒が飲めんかって、付き合いは出来ますわ、そらあ、三島さん、貴方の上司がボロじゃあ」
「ははは」
もう、何十年も付き合って来た知己のように、2人は笑う。子供達も同様だった。横で魚の骨を取ってやり、かいがいしく勇次の世話をする由香里。こんなに楽しい食卓は何年振りであろうか。八重子も、一緒に笑った。
その時、玄関のチャイムが鳴る。その扉を開けたのは、沢木であった。
「あ・・じゅんさん、まあ、貴方、じゅんさんが!」




