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再会
その時、
「お父ん!又ぴくぴくしよるで!」
由香里が静寂を破るように甲高い声を上げた。
「お・、おう!由香里今じゃ、竿をしゃくれ!」
「うん!」
竿に確かな重量感が伝わった。
「お父ん、今度は何かぴくぴくゆうとる。勇ちゃん、姉ちゃんとリール巻こ!」
「うん!」
勇次は、由香里と一緒にリールを巻き始めた。
「お・重いで・・ほんで、何かぴくぴくしよるわ」
勇次もその魚の感触に興奮していた。
2人が巻き上げる竿の先には、
「おう!アイナメじゃ。こりゃあ、でかいで。勇次君、もうちょっとゆっくりリールを巻いて・・そうじゃ、ゆっくりじゃ。由香里、もうちょっと竿立てて・・」




