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転機が訪れる・・

「きゃあ!」


 大勢に人ごみに押されて環が転倒した。すぐ側に居た大柄の青年が、


「あ!大丈夫かいね・・あーーあ・・こりゃ、いかんわ・こと無いか(大丈夫か?の意)?」


 助け起こしてくれたが、アイスクリームは泥だらけ。


「済みません・うち、そそっかしいもんやきん」


 環が礼を言うと、


「いやいや、貴女が悪いん違うで。ええ場所取ろ思うてさっきの人慌てて前ばっかり見とって、貴女とぶつかっとって知らん顔じゃ。あ、アイス台無しじゃねえ。ここ居って。わし、取り替えて来ますわ」


 どこまで親切な人何じゃろうか、あっと言う間に走って行き、環が何も言う間も無く、彼は、又すぐ戻って来た。

 そして、両手にはアイスが握られていた。

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