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再会
そこには、幾分洋司より若そうで細身で、眼鏡をかけた男性と、小学校低学年の盲目の少年が立っていた。
「済みません、少し離れた所で見とったんですが、余りに楽しそうに釣りやられよったんで、自分達も後で見学させて貰お思うて・・」
洋司がにこりとする。
「あ・・はは。どうぞ、どうぞ。ほんでも、投げ釣りやきん、竿を振りかぶる時に、こっち側なら大丈夫やきん、注意しとって下さいよ」
洋司が、父子を竿を振る反対側に誘導すると、大きく竿をしならせながら、大遠投をした。
「おう・・凄い。よお飛ばされますねえ」
「いや・・はは」
洋司が笑う。
由香里が盲目の少年に声を掛ける。
「僕・・名前何言うん?」




