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最終章 追憶・回顧

 2年後、大きな声援を受けて、日本の女性がロンドンマラソンを走っていた。

 既に世に出た、童話作家「ゆう」として。そして、大きく成長したKS食研㈱のイメージガールとして。

 又、すぐ隣を走る、山下忠志の伴侶として・・

 しかし、そこには沢木の姿は見えない。この2年前の冬、忽然と逝った、偉大なる起業家、そして天才競翔家、その多彩な才能と、心温かい人柄故に、誰からも信頼を受け、相談を受け、そして社員に絶大なる尊敬を受けた人・・深く周囲が沈んだ、余りに惜しまれる死であった。


「由香里、頑張れ!ヤマチュー、しっかりアシスト!」


 沢木の遺影を抱いた環が、そこに居た。

 こっくりと頷く由香里。頭を下げるヤマチュー。

 その姿をカメラが追って行く・・

 追って行く・・・

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