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最終章 追憶・回顧
余りにもそれは突然の死であった。遣り残した事も多々あろう、彼は、まだまだ必要とされる大きな、大きな人であった。
悲しみが沢木グループ全体を覆う。
香月の耳にも入り、彼程の沈着冷静な男が半狂乱になり、取り乱したのだった。
「私が!私が、沢木さんを死なせない!今すぐに四国に行く!」
磯川がそれを聞き、香月を叱った。
「香月君、俺だって同じ・・けど、沢木さんはきっと言うよ。もう充分に自分はやって来た。沢木さんの言葉を借りると、ここらでちくっと休ませてくれやあとね・・」
それだけ言うと、磯川も唇を噛んだ。
「く・・くくくぅ・・」




