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最終章その3 鳩達の潜在意識
今は何も心配無い以前の姿を取り戻した由香里。しかし、心に刻まれたその恐怖と衝撃が消え去る事は生涯無いのだった。
その映像がもたらす奇跡か?その翌日、花束を持った壮年に近い男性が白城を訪問したのだった。
「貴方・・・」
男性は黙ったまま・・深々と頭を下げたのであった。
奥の和室に通すと、男性は腰を折り、畳に頭を擦り付けて嗚咽したのだった。
「わしの不注意で、お宅の大事な娘さんを傷つけ、一生拭えぬ傷を負わせてしもうたです。何遍もここを訪ねて来たきんど、ご家族に遭う勇気が持てませんでした。く・・くくく・・」




