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最終章その3 鳩達の潜在意識
蒼白で小刻みに震える由香里。どうしたと言うのだ、何があったと言うのだ。尋常で無いその様子に、八重子は、環を呼んだ。環は八百屋の手伝いで店頭に出ていた所で、丁度非番の日であった。
「どしたん!おばちゃん」
慌てて、環が駆けつけた。
「分からん、痛いとこも無い、どこも何ちゃ無い言うきんど、急に激しいに泣いたかと思うたら、由香里は、今は放心状態でベットに寝とるんよ・・どしたんじゃろ?急に・・」
「上・・見てくる」
環が2階に上ると、確かに放心状態の由香里がベットに横たわっていた。
「どしたん?由香里・・」
首を振るだけの由香里。環は少し間を置き、じっとベットの横に座っていた。




