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最終章その2
「あ、はい・・きんど、何となくうちもそれは前から思うとったですが・・ちょびっと違和感がある」
「ほうか、違和感があるか・・わしも実はある」
「え?」
由香里が沢木を見詰めると、少し視線を避けて遠い空を見るように、窓外を見やりながら、
「わしが思う12神とは、仏教で言う所の12因縁にあたるのでは?と思うとる。つまり、過去、現在、未来の三世に流転する因果の関係を説いたものよ。何故なら、天空の分からぬ無限の観念に例えるよりは、血の伝承とはまさにそう言うものと違うか?それこそ、13仏にも通じる。西洋と、和洋の考え方かも知れんが、必ずしも一致はせんきんど、又全然離れた感覚でも無い」
「・・・よう分からんけど・・ほな、じゅんおっちゃんは、12竜の上に、釈迦如来なる芯が存在する言う理解でえんじゃろか?」
本当に勘の鋭い娘だ・・沢木はそう思いながら頷いた。




