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再会
幼子のようにはしゃぐ由香里の顔を見ながら、ぐっと胸に来る洋司であった。針を外しながら、目頭が熱くなった。それから失った数年を取り戻すかのように、父娘は、釣りを楽しんでいた。
母親が一生懸命作ってくれた昼ご飯を食べながら、
「お父ん、外で食べるご飯っちゃ、美味しいなあ」
「おう、そうじゃろ?お父んもな、母さんと結婚したての頃は、今日見たいに、ご馳走を作ってくれたもんじゃ」
由香里が嬉しそうに父を見た。
「何時から、作ってくれんようになったん?お母ちゃんは」
「さあて・・何時からかいのう・・忘れた。じゅんさんとチヌじゃあ、チヌじゃあと毎週の土曜日は出掛けよった時期からかも知れんの、ははは」
「うち、あのじゅんおっちゃんに、大事にして貰うた。好きじゃ、あのおっちゃん、優しいし」
「ほうじゃ、あの人位ええ人は居らんぞ・・ほんまわしは、世話になった・・」




