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再会
「ほうよのう・・新港の先にええポイントあるんじゃきんど、ちょっと出遅れたしのう、母さんもえらいご馳走作ったんじゃのう・・」
「ふふ」
由香里が笑う。その顔をちらっと見ながら洋司が、
「ほな・・先客が居るかも分からんきんど、やっぱり新港に行って見るわ」
製紙会社の煙突が立ち並び、1万トン級のタンカーが横付け出来る護岸の最先端東角に、良い型のカレイが釣れるポイントがあると言う。
「あ・・やっぱり居った、先客が・・」
「ちょっと由香里待とってくれ・・」
洋司が車を停車させて、その一番ポイントで竿を出す釣り人の後に・・
「どうですか・・?」
声を掛ける洋司。小柄な人物であった。その声に振り向く・・




