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周囲のざわめき
「違う、違う・・短距離しか今見とらんきんよ。来春、その又春・・3年見て判断せえ。果たしてそれがほんまかどうかは、もうちょびっと分かる筈じゃきん」
少しそこで話題が切り替わった。
「大道の秀波号、今年は余市の1200キロレース挑戦じゃ言うとったな。わしが思うに、過去1000キロの参加の無い鳩は、1000キロ以上の距離参加はせん方がええ思うんよ」
尤もと言いながら、松本は、
「まあ、ほれはわしも鳩の失踪問題から・・まあ、失踪ちゅう言葉も好かんわな、自分の意思で逃げて戻らんので無い、帰り道が分からんで、路頭に迷った鳩、或いは事故に遭うたり・・人間ちゃ、何ちゅう酷い事をしよんかのう・・競翔鳩に生れ落ちて、生後半年からレース参加させられ、選手鳩の名の元に帰舎する事を義務付けられる。ほんの一握りの鳩だけ栄光を受けるんじゃ。闘犬も、闘牛も、競走馬も同じかも知れんきんど、わしゃあ、何十年やっとっても胸が痛むわい」
しーんとなる場・・しかし、松本は続けた。




