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周囲のざわめき

 沢木はそう言ってとりを退出させた後、すぐ田村と石川を呼んだ。

 そこで大胆な人事構想が飛び出たのであった。


 この話は一端置いといて、年末に近くなりつつあるこの日、清水が父と向かい合っていた。

 その辺りの話が、沢木の周囲に又複雑に絡んで来る事になるのであった。常に周囲はざわめきの中、望まぬ所にも波紋は広がって行く。


「わしは結婚なんぞ、認めん」


 頑強に、顔を真っ赤にして反対する住職を前に、一歩もこの夜の清水は引かなかった。


「住職、色々自分なりに調査した。かなり不動産業、金融業と凡そ寺と関係無い商売に手出しとる見たいななあ」

「馬鹿たれ!お前のような青二才には、世間ちゅうもんが分かっとらんのじゃ」

「いや、言わせて貰う。奈津美の親父は、新井鋼材㈱をやっとった。ほやきんど、住職が融資しとった山田建設の倒産のあおりを受けて連鎖倒産したんよ。その5000万円の焦げ付き・・兼六会とも繋がりある見たいじゃな」


 形相が一変した、住職だった。

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