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再会

「おい・・未だか?」


 洋司が、妻八重子に催促をしている。父と娘に手弁当を持たせる為に、八重子は朝早くから作っているのだが、この朝は相当念入りに手の込んだ物を作っているようであるが、洋司も早くから起きて来て、釣りの準備も整っているので待ちきれない様子。

 そんな両親のやりとりを少し微笑みながら由香里が見ている。


「分かっとる!もうちょびっと待ちいな」


 言葉のトーンがきついものの、その八重子の顔はどこか楽しそうであった。


「さあ、出来たよ」


 最後に果物を詰めて、八重子が弁当を差し出すと、


「有難う、お母ちゃん」

「うん、楽しんで来てな、お父さん、頼むで」

「あ・・おう・・」


 由香里が受け取ると、父娘は10年振りになろうか、出掛けて行った。八重子は嬉しそうに父娘を見送った。

 車中・・


「なあ、お父ん、どこで釣るん?」

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