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周囲のざわめき
「流通センター良し、青果市場良し、妻鳥屋の看板守るも良し。ほやきんど、他力本願で無しに、願望で無しに、とり君なら、どうやりたい?どうするんじゃ言う企画書持って来い。わしはな、ここで一人の父親として言わせて貰うど。環の夫として、君はこれから先の生活をどう支え、構築して行くんど。その気概を示せ。優しいだけ、面白いだけの君は人間では決して無い。ある筈じゃ、君にはもっともっと出来る才能が」
項垂れて、退出するとりに、背後から、
「環と良う相談せえ・・二人で出す企画でも構わん、具体化して見いや、この案」
「は・・はい」
とりが、すっかり生気を無くして帰宅しようとした静寂の杜で、その心の変化を由香里は敏感に読み取った。
「とり兄・・どなんしたん?」
「あ・・いや何でも無い」
「嘘・・とり兄、午後からオーナーに呼ばれてから元気無い。言うて見て、何があったんか。何時も困り事相談して貰いよるうちやきん、聞いてあげる」




