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周囲のざわめき

「・・わしはただの一般市民、つまり、わしは自分の理想を唱えているだけの1企業家に過ぎんのですよ?磯川君。そなな大きなプロジェクトが、民間の事業に手を貸す筈が無い」


 沢木は自嘲気味に少し笑った。有り得ないと言いたいのだろう。しかし、磯川は、


「いいえ、経営する磯川総合病院・・つまり愛清会グループが、ここへ老人施設を移転すると言う話なら可能です。そして、私の所が既に行なっている老人医療施設こそ、第3セクター方式。つまり、沢木さんの意に沿わぬ事は理解出来ますが、山林の買収等は造作も無い事です。それによって多少特定の個人に資金が渡ったとしても、買い上げるのですから、一切今後こちらの事業には手を出させない、口を挟めさせないと言う口実が出来上がりますから」

「ふ・・ふふ。これは、磯川さん、貴方だけのアイデアでは無いですね?香月博士も大きく・・?」

「聞かないで頂きたい。香月君は国家の重要機関の教授たる人物です。民間の事業に口は挟めないのですからね」


 にこやかな顔で見詰め合う沢木と磯川。静寂の杜・・いきなり更に大きなプロジェクトが動き出した。

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