2017/3046
伸びる若芽
こうなると、カウンター越しに今秋のレースについての話が弾む。住職の息子である彼は、一般サラリーマンとは違い、適当な時間に週4日位は顔を出す。人柄の良い、頭の切れる人物でもある。
「ところで、清水君よ。彼女連れて来た事無いわいの、勿論居るんじゃろ?」
清水は頭を掻いた。
「ははあ・・それがもう1年になるんじゃきんどね、付き合い出して。親父が反対しとんですわ」
「住職が?何でぞ・?聞いてもええか?」
「はあ・・わしは、未だ親父がしゃんとしとるきん、たまに子坊主で、葬式や、法事に出てお経も唱えたりはすんですきんど、世間から見たら放蕩息子ですわ。坊さんとは思うてくれませんきんね。頭も普通にしとるきん。付き合いしよる娘・・スナックで働いとんですわ。親父は真っ赤の顔して、こればっかりは絶対認めん言うとります」
「・・と言うと、清水君は結婚を前提にちゅう事かいの?」
「はい・・由香里ちゃんのような娘さんなら良かったんじゃきんどね」




