2013/3046
伸びる若芽
「風邪・・かいね?」
沢木が聞いた。頷く医者。
「インフルエンザとまではいかんきんど、熱性の風邪が流行っとる。その前にちょびっと疲れもあったきん、熱が高いんよ。解熱剤と、睡眠薬を与えたきん、奥さんよう眠っとる。そっとしといて、明後日位までは入院した方が良かろ」
「有難う御座いました・・」
やっと由香里が落ち着いた。
「由香里ちゃんよ、風邪じゃちゅうとるきん、今日は八重ちゃんの側に居れん。一端帰ろうや、白城に」
しぶしぶ頷きながら、由香里は病室を離れた。
白城に戻ると洋司が鎮痛な表情で、
「はぁ・・わしゃあ、自分の事に一生懸命になっとって、八重子に随分無理させとった。じゅんさん、1週間ば、済みません、無理言わせて下さい」
由香里が何か洋司に言おうとしたが、口を噤んだ。彼女は洋司の言葉に何か引っかかったのだ。




