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伸びる若芽

 放鳩車に鳩が収容され、残った競翔家達が松本、西条を囲み、明後日の放鳩についての談義が始まった。

 今回は、特に熱を帯びていて、活発な言葉が飛び出していた。中堅は強豪と呼ばれる成長を見せ、強豪は更に高みを目指している。企業・個人が成長出来るのは、そこに常に向上心があり、又ライバルの存在があるからだ。

 ヤマチューは、この夜、加藤にこう言った。


「カトちゃん、わしとはまだライバルとは呼んで貰えん位差があるきんど、自分はそう思うとるきん、よろしくな」


 満面の笑みで、加藤はがっしりとヤマチューと握手した。

 そして、この秋の700㌔レースは今後四国に燧灘競翔連合会ありと、全国に知らしめる大きなものになるのであった。

 秋空に一斉に羽を広げた3,894羽は、放鳩委員達に何かを感じさせた。

 蠢く黒い竜は、幾重にも何本もの帯となり、瞬く間に視界から消えて行った。

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