1998/3046
伸びる若芽
こうして、香月、沢木がこれからの競翔の方向性を感じているその時、四国連盟の最終レース700㌔地区CHレースは行われた。総参加羽数、3,894羽は過去最大であった。年々競翔鳩を飼う環境は悪化を辿っている。しかし、その中にあって、競翔を続ける者は自鳩舎の向上を目指し、日々努力を続けている。
燧灘競翔連合会、今秋のフィナーレを飾る最後のレース。500㌔レースで数年前まで終わっていた時と比べると、700㌔と言う距離は四国地区の若鳩達にとっては非常に厳しい距離である。
緊張と期待。しかし、無謀と言う挑戦は断じてやってはならない。
由香里が大勢の者に囲まれ、笑顔を振りまいている。正にマドンナ。数少ない女性競翔家の一人として今、社会にも出て、又何とか通信制大学の単位も取得し卒業を来春には迎える。
自身は端正な顔立ちを更に輝かせ、青年達の瞳を虜にさせ、ベテラン競翔家達の温かい視線に守られながら、大きな成長を見せている。




