1990/3046
伸びる若芽
初対面の清治を「清ちゃん」と呼ぶ由香里。洋司の目がくりっとした。清治は、
「僕には分からない。由香里ちゃんのような能力は、自分には無いと思うから・・。でも、何て言うのかな、臆病を感じ取るとしたら、きっと使翔家がそれを持ってはいけない気がするんだ。例えば、使翔家が大き過ぎて、優し過ぎるばかりに踏み込めない一歩と、傍若無人に、機械的な感覚で競翔を考えている人と対象を分けたらとしたら、どこかに大きな歪みが生じて来ると思うんだ。その辺はどう?由香里ちゃん」
今度は、にこにこと二人の会話を聞き役に回る香月だった。
「うち、どっちも出来んと思う。きんど、輝も、閃もうちの大事な家族、兄弟。どこかで無理の判断はすると思うし、この子達が臆病の淵に立っているとしたら、そこでも判断すると思う」
浦部が・・溜息をついた。




