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1989/3046

伸びる若芽

 困惑した表情の洋司に、頷きながら香月は、


「今日、清治君をここへお連れしたのは、沢木流を飛び越える、第六感とも言うべき、学者の私も、ベテラン競翔家の浦部さんも見えない、感性の行き先なのです。先程から、清治君と由香里さんには共通した何か方向性が見えているようです。それを私は確かめたい為に今日お邪魔しました。その世界は、競翔とは何かと言う事、又、その方向性がこの先無限に変化するべきものかも知れないからです。いえ・・恐らく沢木さんが躊躇された、その1歩を二人は感じているのかも知れません」


 由香里が、香月の優しい眼の奥に吸い込まれそうに感覚になりながら、


「あの・・うちには難しい事は分かりません。ほんでも、この子達の心の奥底から湧き出る、激情や、気力、寂寥感、・・何となく感じる事あります。それは、人間見たいにはっきりしたもんで無うて、自分自身の本能の中で戦い合っとるように思うんです。清ちゃん、どう思う?」

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