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伸びる若芽

 その青木だが、この日は久し振りに沢木と顔を合わし、上機嫌。沢木も明るい笑顔だった。


「ほうかいな、あのおっさん(代議士)建設大臣になれそうなんかい」

「ほうよ、ほんまは郵政大臣の椅子狙うとったんじゃきんど、まずは主要椅子じゃ。これで、愛媛県は安泰よ」

「保っちゃん、おっさんは、地元では圧倒的な地盤も持っとるし、政治家にしたらほんま綺麗なお方よ。ほやきんど、深入りせんとけよ。の?」

「言いたい事は分かる。ほやきんど、地元にあって、こう言う仕事しよってこればっかりは避けて通れんわ。わしは、ここまで大きゅうさせて貰うた恩がある。じゅんちゃんやってそやろがい」

「確かに、あるわ。分かった。地元の大臣になろうかと言うお人じゃ。先ごろ予算委員会で大あくびしよって、放映されたどっかの代議士と違うて、地元ではほんまによう働いてくれる人やきんのう。保っちゃん、折角じゃ、静寂の杜見ていかんな」

「おう、そうさせて貰うつもりじゃ。可愛い女の娘の顔でも見て、元気貰うかのう」


 ははは・・。笑いながら駅長室から出てくる二人。由香里は今度は満面の笑みで青木に礼をする。真っ黒い顔が、白い歯を見せてにこっとした。途端、第一印象とは全く違う、青木の大きくて暖かい心が由香里の胸に飛び込んで来た。

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