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伸びる若芽

 自信が加藤から感じられる。引っ込み思案で、いつもおどおどしていた少年期。でも、心優しい少年は、鳩を愛し、競翔の世界に入って、ひたむきに自分の信念を貫いて来た。鳩の成長と共に、やがて少年は大人になって行く。没頭し、そこから学ぶ事、そのやって来た事に対するものはやがて自分の身となり骨となるだろう。ヤマチューは、頼もしく加藤を見た。そして嬉しく思った。彼も又、幾多の挫折や失望や不満や怒りの行き場を失いながらも、この世界に入った事で目の前が開けたのだ。今、真にヤマチューと加藤との間には、信頼と友情が芽生えたのである。

 600キロレースには、佐々木鳩舎は断念した。川滝系の洋司が使翔する系統は、晩生タイプ。ヤマチューが来春に使翔するタイプとかなりの部分でダブル。一方、とりが使翔するのは短・中距離タイプでスピードのあるタイプ。人それぞれ、個性や性格が違うように、競翔鳩にも様々なタイプがある。むしろ、あって当然。人にA,B,AB,O型の血液型があるように、適者適存の法則がある。気候、環境に適応した種が自然淘汰の中で生き残るのである。植物であれ、動物であれ、そこに生き残るべき適応力が必要である。人為的な場合、人間の都合で、植物であれ、又動物であれ、良否は別として品種改良して来たのである。

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