1966/3046
伸びる若芽
次の日、とりは一番に出社し、沢木を待っていた。その朝、沢木も早く出社して来た。まるでとりの出社を予感していたような早い時間であった。それは、全く別の意図があったようだが、一目で沢木はとりが昨日の企画を練り直して来たのだと察し、鉱物館のドアを明けた。霧島夫妻は未だ就寝中だから、音立てんようにな・・そろっと入る二人。
そして、黙って企画書を手渡すとり。文章は稚拙であるが、30枚もの企画書に、
「寝んかったの?昨日の晩は・・」
「はい。命賭けるつもりで再考しましたきん」
沢木はこくんと頷き、一通り眼を通す。そして・・
「わしの意図を読んでくれたか・・ほうじゃ。静寂の杜のメインはどのセクトが売上伸ばそうが、まず市場なんじゃ。この原点を変える事は無い。よう考えたのう。所々は修正せにゃならんきんど、おおまかは了解した。やって見い」
「は、はい!頑張ります!」
大きな声に、苦笑いする沢木だった。




