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伸びる若芽

 わあっ!手を取り合って喜ぶ二人に、沢木が静寂の杜が自然と人間を作って来たと、心から喜んだ。スタートして間も無い、出版社のスタッフは叱咤激励のような言葉を沢木から受け、頑張ろうと言う気持ちになった。雑誌、書物とは読み手側に意図が伝わって初めて生きて来るもの。生みの苦しみの後には、受け入れられたと言う満足感がある筈だ。事実創刊から3号を経て、絶賛を浴びつつあった。

 白城に戻った由香里は、難しい顔をして喫茶店のテーブルで考え込んでいるとりに声を掛けた。全員が一発OKとの由香里の言葉に、がっくり来ているとりだったが、


「何言うとんな。黙っとけ言われとるきんどな、オーナーは、殆どOKに近い企画案じゃった言うとったで。2、3の部分に手入れたら全面に任すわ言うて、にこにこしよったんよ、とり兄」


 由香里に、とり兄と呼ばれて、少し嬉しい顔になるとり。


「え・・ほうかあ。よっしゃ、ほな元気出て来た。洋司さん、腹減ったきん、カレー大盛りでつか」

「ええっ、又食うんかいや・・はは」

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