1956/3046
伸びる若芽
「ほりゃ、いかん。考え方が間違うとるわ。とり君。市場ちゅうんは、売り切ってなんぼじゃ。ほんで、供給と需要の関係。生産者の限度を超えてどなんして作物を搬入出きるんぞ。数を揃えて、真にこの静寂の杜が守って来た、自然食品の品質が守れるかや?」
「あ・・いや・・ほれは」
「もう一回考え直して来いや。何かが足らん。時間は制限せんきん」
「は・・はあ・・」
しょぼんとして、とりが部屋を出て行った。つまり、再考せよとは案外的をついた企画案だと思って良い。
続いて入って来たのは田村だった。田村はトマト栽培を始め、すこぶる急上昇のセクトだが、この企画案に沢木は意外そうな顔をした。




