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孤高の気質
「ふ・・死なへん・・倒れへんわ。松風号は、白虎号よりうんと体もでかい。そなん弱い鳩とは違う。・・しゃあない・・由香里ちゃん、今日から両方のエリアの真ん中に餌箱を置け、ほんでな、餌の口は白虎号の方へ向けるんじゃ、ええか?これはの、心を鬼にしてすんぞ」
「え・・はい」
何時もの沢木とは全く違う厳しい言葉であった。しかし、それは両鳩の事を第一番に思う気持ちから出る言葉であって、由香里はそれに従うのであった。
沢木は1週間これから高知に出張していて、毎晩9時に旅館に電話してくれと言い残し、帰って行った。
その午後、あれから一度も姿を見せなかった大道・・ヒデ君が突然訪問した。
「ヒデ君!」
由香里が笑みを浮かべる。
「おう・・」
はにかみながら、ヒデ君は家の中へ。




