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伸びる若芽
「はは・・その地に合うた血ちゅうんが、又競翔には必要じゃわのう、松もっさん」
「然り・・ほやきんこそ、生き延びて来た血統言うんは強いですわね、山部さん」
「こっちで交配させてくれたら、又違うじゃろきんど、委託鳩舎の痛し痒しですわいな」
大きく頷き合う二人だった。この夜は他でも多いに議論が開始されていた。由香里はこの夜姿を見せて、例の不思議な感性で、
「カトちゃん、凄いええね、この2羽」
それは、全く秋レースに実績の無い2羽で、加藤の鳩達の中でも地味な2羽だった。
ター君が少し首を傾げた。
「あのな、カトちゃんとこには、もっと秋に活躍しとる鳩もようけ居るのに、何でこの2羽・・?200キロ後日帰りと、300キロ3日目帰りじゃろ?カトちゃん、この2羽」
「うん・・由香里ちゃん、聞かせて貰えるかいな・・どこがええと思うたん?」




