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陽射し

 そして、順調に由香里の若鳩は育って行く。沢木はその様子を静かに見守っていた。

 由香里から沢木に連絡が入ったのは、もうクマゼミの鳴き声が聞こえる朝だった。

 超多忙な沢木をつかまえるのは、午前中しか無かった。


「おう、どうした?由香里ちゃん」

「あのな、じゅんおっちゃん。うち、可哀想って思うたんじゃけど、松風号と白虎号は、一緒の鳩舎に居っても、完全に2分しとるんよ」

「・・ほんで?」


 沢木が聞く。


「今日からな、松風号のエリアにだけ餌あげよか思いよんよ」

「ははあ・・由香里ちゃん。やって見いや。どこまで辛抱するかいの、白虎号が・・」


 沢木はその短い会話の中で、由香里の意図する事を悟った。

 由香里は、早速この朝から、これを実行に移した。それから3日後、沢木に又電話が入った・・。

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