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車椅子の少女

「何、びっくりしとん・・ふふ」


 由香里が笑う。


「何や・・?」

「ちょっとな、連れて行って欲しいとこがあるんよ」

「お・おう、それっちゃ、どこへぞ?」


 父親が、聞く。そう言えば、ほとんど最近娘と出歩いた事も無かった自分に気づき、その願いに少し戸惑いの表情を見せながら・・


「釣り・・」

「え!釣り?」


 父洋司は、驚いた。洋司は、由香里の事故以来、あれほど好きだった釣りも封印したままで遠ざかっていた。由香里が小学校の頃は、良く2人で釣りに出かけたものだったが・・

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