日々
由香里に特殊な能力が備わっていたとしても、そこまでは予測出来ない。
が・・何かをやはり感じる由香里は、10時頃からベランダに椅子を持ち出し座っていた。
洋司が、一度上がって来た。
「未だ早かろが、由香里」
彼は笑う。
「うん・・ほんでも、ここ居るんが一番落ち着く。閃・輝竜号も今日は舎外させて無いきんな。この子達じっくり見るええ機会じゃし」
「ほうか・・ちょびっと天気も悪い。風邪引かんようにの」
洋司が階段を降りて行く。
時間は11時、放鳩されて、既に2時間40分が過ぎていた。11時過ぎに八重子がおにぎりとスープを持って上がって来た。由香里と一緒に空を見上げるが、どんよりとした空には時折、燕と烏が飛ぶ姿が見えるのみ。八重子も洋司と同じ事を言いながら降りて行く。競翔家の姿が消えた喫茶店は、何時もの半分以下で、ご近所さんが、先ほどまでモーニングセットを注文し、腰を上げた所だ。ランチも今日は多く出ないだろう。11時半になって洋司が又上がって来る。この時間までに戻らないとなると、分速も1000メートル出るか出ないかだ。やはり、かなり苦戦のレースだろう。




