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日々

 その編集には、海洋学を学んだ学者の監修と、沢木自らが校正者として添削を加えた内容の濃いものであった。特に群を抜いていたのは黒鯛チヌの生態で、鋭い切り口と深い洞察が筆記されていた。沢木は、無言の今までの雑言に対する釣り人や、買収を行った釣り雑誌編集への抗議を、この雑誌編集で完成させたと言って良い。


「凄い内容じゃあ・・流石にじゅんさん。広告じゃって釣り関係より料亭とか、市場の物が多いし、伝統漁法とか、とにかくこりゃあ、釣り人必携の辞書見たいな本違うな?」


 谷野が言うと、洋司も、


「じゅんさんの事やきん半端はせん思うたきんど、全く視点が違うわなあ、谷やん、ほれで居て釣り人の視点で鋭い洞察を加えとる。魚が居るとこで竿を出す。釣れるんは当り前。ほやきんど、集魚材についても否定されとる部分もあるし、何故否定しとるかも、大学での化学分析の結果をつけとる。こりゃ単なる評論で無しに、学術テーマのようじゃし、釣り竿一つ、リールにしてもギヤ比における比重であるとか、竿の弾力、反発力。それにテグスの性質、強度まで言及されとる。実際にテストまで行なっとるんじゃきん、メーカーも協力せざるをえんじゃろし、下手な誤魔化しは絶対出来んわなあ、遊魚業にしても広告の掲載を審査する言う位高飛車な言葉で編集しとるきんど、渡船の仕組みについても言及されとる。金だけ受け取ったら後は知らん、釣れても釣れんでも言う姿勢には、凄い厳しい突っ込みが入っとる」

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