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日々

 洋司の喫茶店は平日も超満員。競翔関係者が、事前の情報を入手しようと夕方からは満席状態になった。

 これも、方向性としては良い向きだ。沢木はそれを知っているかのように姿を見せなかった。彼らしいそれも配慮であった。

 沢木は実は、買収した釣り雑誌の草案の最終編集作業に携わっていた。それは、今までの情報誌に無い、漁法や、魚種掲載の豊富さ、地域性における魚の回遊であるとか、トーナメントや遊漁業の広告等を一切排除した一種の図鑑、手引き書、魚種の習性等を細かく網羅した学術書のようであった。それもこの時代なのにカラーページをふんだんに使い、ちゃんとファイルが出来るようにしている。近年売上を伸ばしているディアゴスティーニの走りのようなものだった。多少金額は高い。又安っぽいにわか名人の登場で、釣り人総名人のような印象を与える記事は無い。テスターの登場も無い。それで居て、実に明確な釣りを文化として捉えた考察が、古文や、豊富な資料からの引用にて素晴らしい内容となっていた。

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