1844/3046
日々
沢木が黙って頷いた。競翔鳩を愛してやまなかった人だ、きっと先に逝った鎌足さんと鳩談義を天国で交わす事だろう・・
誰にも自分にとってかけがえの無い支え、恩師であったり、家族であったり、そう言う人が居る。居ないと言う者は何と不幸な事だろう。人は人を信じ、互いに支えあい励ます所に人の輪・・つまり人間と言う関係が成り立つ。人と言う動物は個で野に放たれても、生き抜く力は脆弱だ。力を持たない手段として異常に発達した脳によって、又集団を形成して生きて来た。
東予連合会に、その創設以来より競翔鳩を愛し、幾多の困難を乗り越え、仲間を支え屋台骨として生きて来た川滝は逝った・・しかし、鎌足同様、大きな根をそこに残し、次代に伝承したのだった。
「誰にも別れはある・・ほやきんど、誰にも見取られず、寂しい死で無しに自身の子、孫に見送られて川滝さんは逝ったんじゃ。幸せな人生じゃったと言うべきじゃろうし、こやって川滝さんが残した競翔家達も別れを惜しんで涙を流しとる」
色んな事が、周囲に起きている。




